2011-01-01から1年間の記事一覧

民主党、減税日本、みんなの党

この三つの党に共通なのは、最近、議員数で急成長したことだ。要するに新人議員が多い。そこで、問題は、彼らの政治的能力である。いや、その前に、彼らがどのような政治家を目指しているか、それに対して研鑽に励んでいるか?民主党の菅首相不信任案騒動の…

現代日本の成長戦略とは、成熟戦略である

成熟とは柔軟性をもって変わっていくことである。変わることによって成長することが、今の日本に求められている。 既得権益を守り、硬直化、形式化が進む中で、これまでの経験の蓄積を改めて見直し、それを再整理して生かし切ることが成熟への道である。既得…

信任された菅直人首相は続けて当然

国会で不信任案が否決され、信任された菅首相が何故辞めるのか? これは世界の七不思議である。辞めるべきと考えている議員であれば、不信任するはずである。だが、しなかった。その翌日から信任した人たちが、「首相は、いつ辞任するのか?」と騒ぎ出した。…

批評=批判+学び

依頼されて書いた(まだ、未発表)のある論考に、「批評=批判+学び」と書いた。昨今、筆者が関心をもつ地方議会に対して批判が強い。また、政治につおても同じだ。永井陽之助氏であれば、おそらく、『政治への不信は、過信の裏返し』と論じたであろう。経…

明治政府の作った歴史観・歴史解釈

明治以前の江戸幕府の時代は“野蛮未開”、明治時代からは“文明開化”の時代、という開明史観を明治政府は国民に植えつけていった。この開明史観については、政治学者・京極純一氏が指摘している(「日本社会と『憲法問題』感覚」(『思想』1962・6月号))。…

懲りずに、またも五輪の招致

東京都の石原知事は2020年夏季五輪の招致の意向を示した。大震災の被害を一身に受けたのは、東北地方である。東京都は電源を東北地方に頼り切っていたことが暴露された。一方、原発事故でその地元が苦しい思いをするなかで、多少の援助はしたが、ほとんど何…

管直人首相を辞任させるには

管直人首相への辞任要求はフニャフニャで腰砕けの感じである。信任した次の日に、信任した人たちのなかから辞任の時期の話が出てくるのだから、所詮、オポティニストの集まりか、と思ったが、その通りであった。議員内閣制にあっては、本来、不信任決議は出…

菅直人首相の不信任、信任、辞任を考える

良くわからない結末ではあるが、…「劇」は続いているかに見える。以下に、論考をまとめたので、ご参照下さい。『地域から世界までを考える自己認識の政治学』 http://blog.goo.ne.jp/goalhunter_19482011/6/5 管直人首相の代議士会発言の核心 「若い世代への…

バルセロナFCの勝利 欧州CL決勝戦

欧州チャンピオンズリーグ決勝 バルセロナ3─1マンチェスターU (28日、ロンドン・ウェンブリー競技場)前半10分までは、マンUが積極的なボール奪取を試みて押し気味に試合を進め、これは!と思わせた。しかし、バルサがボールを収めて、素早い判断と…

『あの戦争と日本人』を読む

たとえば、『太平洋戦争と私たち』という題ならば、自分たちのことかなと直感する。しかし、この本の題、“あの”という言葉はどこか離れた視点から見ている感じがする。『あの戦争と日本人』(半藤一利著 文芸春秋社 2011)本文以外の腰帯、目次、まえがき、…

ビンラディン氏のジハートと“絶対の敵”(改訂)

5月26日「ビンラディン氏のジハートと“絶対の敵”」を改訂http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20110526/1306414736 ビンラディン氏は、1979年の旧ソ連によるアフガニスタン侵攻の際、アフガン側にゲリラとして参加し、旧ソ連を退却に追い込んだ立役者のひと…

ビンラディン氏のジハートと“絶対の敵”

ビンラディン氏は、1979年の旧ソ連によるアフガニスタン侵攻の際、アフガン側にゲリラとして参加し、旧ソ連を退却に追い込んだ立役者のひとりである。 このときの戦いは、侵攻に抵抗する土着の住民を支援するイスラム教徒としての聖戦(ジハート)であった。…

「ゼロではない」は「事実上ゼロ」〜班目注釈学

昨日の続き。重大な意思決定をするときに、注釈が必要な言葉を使うとは!読売新聞によれば、班目委員長は、 「…『再臨界の可能性はゼロではない』と言ったのは、事実上(可能性は)ゼロだという意味だ。『注水はやめた方がいい』とは絶対に言っていない」と…

再臨界の可能性はゼロではない

マスメディアの一斉報道によれば、 政府・東京電力統合対策室は22日、内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長が菅首相に「再臨界の危険性がある」と進言したとの21日の発表を、以下に訂正した。「首相から再臨界の可能性を問われ、再臨界の可能性はゼロ…

原発事故から「鉄道員」を思い出す

鉄道員(1958)はピエトロ・ジェルミ監督が、自ら主人公としても出演して1956年に監督した、労働者の一家庭を描くネオ・リアリズム作品。暫く前に原発事故から偶々思い出した。何故?どこが? 主人公は鉄道機関士と、その末っ子のサンドロ。ネオ・リアリズム…

幸せのお裾分け、“8つ葉”のクローバー

小学生が発見したところが、なんだかとても嬉しくなる。「四つ葉のクローバー探し」という表現を、筆者は良く使う。 だから、このニュースに凄く引きつけられた。 幸せも2倍、“8つ葉”のクローバーを小学生が発見/小田原 カナロコ 2011年5月10日 http://new…

議会改革の公約を実現へ〜議会の最優先課題

「議会改革の選挙公約を検証・評価〜完全実施すれば…〜」 http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/images/mail_magazine/158.html において、『…結果として、各会派が公約として掲げたことを、議会としてすべて実施すれば、改革は相当進展するところまで到達した。…

米国の戦争観と正義〜永井政治学に学ぶ

永井陽之助氏は米国の戦争=平和観に「正義の戦争」という思想がひそむことを『平和の代償』(P167)で指摘していることを「ビンラーディン氏の死」で述べた。http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20110503 この著作は中央公論に発表した三つの論文から構成さ…

ビンラーディン氏の死ージハート対正義の根源〜永井政治学に学ぶ

報道によれば、 『オバマ米大統領は1日夜(日本時間2日午後)、テレビで緊急演説し、2001年9月11日の米同時多発テロ事件の首謀者として手配していた国際テロ組織アルカイダの最高指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者(54)を殺害し、遺体を収容したと発表し…

序にかえてー追悼の辞〜永井政治学に学ぶ

永井陽之助氏は“自己認識の政治学”を目指したひとりの学徒であった。既に2008年12月30日に亡くなられている。 丸山真男氏を筆頭として、岡義達氏、京極純一氏、升味準之助氏らと共に戦後「政治学」を日本において構築した「東大学派」のひとりである。 「巨…

シュートはゴールへのスルーパス!

ヨーロッパチャンピオンズリーグの準決勝、バルサ対レアルでバルサのメッシが4人抜きのドリブルで2点目を決めた。このときのシュートをみて「シュートはゴールへのスルーパス!」と感じた。確か、ジーコだと思うが、「シュートはゴールへのパス」と言った…

メルマガ 第157号 2011/4/13 岐路に立つ議会改革〜川崎市議会選挙2011

探検!地方自治体へ 〜川崎市政を中心に〜 第157号 ★岐路に立つ議会改革〜川崎市議会選挙2011〜★ 1.問題の所在 2.定数削減のシミュレーション〜川崎市と横浜市との比較 3.“敗者としての議会”から脱却へ1.問題の所在統一地方選挙は民主党の大敗、管政…

東京の新しく、脆い「普通」〜FT紙(4/5)

ファイナンシャルタイムズ紙の記者が報じる“東京” これらの事象を、分類すると、どうなるだろうか? 以下のコメントをつけてみる。1)本当は必要だが、できないこと。 2)実は不要であり、無くてもよいこと。 3)新しい事象、今後も続けていくべき? 4)…

選挙活動のスタイル

個々の政策ではないが、選挙活動のスタイルとしていわゆる選挙カーを用いない方法を使う候補者がこれまでも少しずつ増えてきているように感じる。 これまでは、好奇の眼でみられがちなやり方であった。しかし、今回の東日本大震災の後ではその意味合いが違っ…

予測された『「M9」大地震』(「ニュートン」2007年10月号)

2011年3月11日の宮城県三陸沖を震源とした「東北地方太平洋沖地震」において、被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。 また、被災地において、日夜を問わず被災者救…

原発事故の対応は、ミッドウェイ海戦の惨敗を想起させる

今回の原発事故直後に最悪事態を見据えた対策を直ちにとることができなかった。 与野党の区別なく、幹部と新人議員の区別なく、国会議員と地方議員との区別なく、政局ボケした政治家たち、役所以上にお役所的な東電の幹部たち!これは戦後日本が生んだトップ…

石原都知事の出馬は最後の我欲?作家・石原慎太郎が発端!

石原東京都知事は3月14日、震災への国民の対応について記者団に問われ、 「津波をうまく利用して、我欲をやっぱり一回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」などと発言。 http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011031501000276.htmlあとから、陳謝…

永井陽之助氏の愛弟子?どちらが?管直人氏対渡辺嘉美氏

永井陽之助氏の愛弟子ではない、結論的にはどちらも。両者共に永井政治学の本質を射ていないからだ。但し、二人とも自ら愛弟子とは言っていない。新聞が勝手につけた言葉だ。したがって、本当の結論はこれを紙面に取り上げた産経新聞の責任者が何もわかって…

永井陽之助氏の政治学:再構成へ向けて

永井陽之助氏の政治学。大学時代に一般教養科目として政治学をとり、その講義は氏によるものだった。しかし、学んだのは“永井政治学”であって、教養としての政治学ではなかった。その後もことあるごとに、氏の著作を読み返すことになったのは、ある程度の必…

近松の心中表現と漱石の作品

日経の夕刊に近松の曽根崎心中上演の話が出ていた。美術家・杉本博司氏が手がけ、これまで割愛されてきた「観音廻り」を復活させるとのこと。実はすべて初耳だが、観音信仰というものがあったらしい。これを魂の救済に結びつけたという説だ。「曽根崎心中」…