原発事故から「鉄道員」を思い出す

鉄道員(1958)はピエトロ・ジェルミ監督が、自ら主人公としても出演して1956年に監督した、労働者の一家庭を描くネオ・リアリズム作品。暫く前に原発事故から偶々思い出した。

何故?どこが?
主人公は鉄道機関士と、その末っ子のサンドロ。ネオ・リアリズム作品では「自転車泥棒」でも少年と父親との関係が描かれている。

父親は最新鋭の特急電気機関車を運転している。ところが事故を起こしかけて、旧式機関車の機関士に格下げになった。

年のせいで、反応が鈍くなったと思われたのか、ここが印象に残っている。何といっても小学生の3年生の頃に見た記憶があるから、うろ覚えなのだ。

事故というものは一律的に起こるわけではなく、その時の状況によって、判断も異なり、後から考えればミスとしか思えないことが起きることもあるのだ。

原発事故を今から批判しても、所詮は後知恵である。当事者としての思考と動きを正確に描き、そこでの過不足を批判的にまとめ必要がある。

原因追求は責任追及になるが、「政治的責任」の追及ばかりを考えていると、原因追求が疎かになることも想定できる。