『あの戦争と日本人』を読む

たとえば、『太平洋戦争と私たち』という題ならば、自分たちのことかなと直感する。しかし、この本の題、“あの”という言葉はどこか離れた視点から見ている感じがする。

『あの戦争と日本人』(半藤一利著 文芸春秋社 2011)

本文以外の腰帯、目次、まえがき、あとがき、…を最初に読むのが習わしで、「オール読物」に掲載を先ず知った。名前は知っているが、大衆文芸雑誌との感覚的理解で読んだことがない雑誌だ。

読みもの調でわかりやすく、そんなに時間が掛からずに、最後まで通した。第十章、第十一章にそれまでの記載とトーンの違いを感じ、改めて初出一覧をみると、この二章は「文芸春秋」に、それも年代的に早く掲載されたものになっている。

目次
第一章 幕末史と日本人
第二章 日露戦争
第三章 日露戦争後…
第四章 統帥権
第五章 八紘一宇
第六章 鬼畜米英…
第七章 戦艦大和
第八章 特攻隊…
第九章 原子爆弾
第十章 八月十五日…
第十一章 昭和天皇
新聞と日本人ー「長いあとがき」として