政治

脱原発の行方

技術開発が進む。技術そのものを放棄しても、技術の中身は残る。 原子力を放棄すれば、技術者はどうするか?どこかの国へ行って自らの仕事を続けるだろう。「煉獄のなかで」あるいは「ナバロンの要塞」永井陽之助氏『平和の代償』「国家目標としての安全の独…

社会の“成熟戦略”を〜経済の成長戦略はその一部〜

成長戦略という言葉が地方自治体にも流行っている。橋下徹氏の大阪都構想も大阪全体を統合した成長戦略が大きな狙いであることは間違いない。しかし、単なる経済成長が先進諸国における大都市の戦略になるだろうか。それよりも、少子高齢化における社会の“成…

開明史観(京極純一)の問題

前代は未開野蛮、今は文明開化、これは明治維新、戦後に共通した歴史観であることを京極純一は鋭く指摘した。『平和の代償』のなかでこれを読んだとき(学生時代)、その鋭さにいたく感心した覚えがある。今、考えてみると、次のような違いがあることに気が…

ティーパーティは茶会党?

新聞を読むとティーパーティーは茶会党と訳されている。米国独立戦争の少し前、いわゆるティーパーティー事件が起きたが、これは茶会事件と訳されている。教科書的になじみ深い。パーティーは会合、団体のどちらにも使われる。会も同じだ。だから「党」は余…

ブログ「大山鳴動してドジョウ一匹」

欧米で債務起因の経済危機が繰り返され、ようやく、増税路線をアキラメと共に受入れる気分が…自民党は没落するのでは… http://blog.goo.ne.jp/goalhunter_1948/e/beacbf11be2725f2ae0f4df9682cff38

管直人氏、市民運動家の限界〜拒否権と圧力団体

管直人氏が首相をやめると言って、3か月間その座に止まった手法は、 1)拒否権行使…権限を「拒否」行為に使う 2)圧力団体化…条件をつけて、それを飲ませる 3)目標喪失 …辞任を表明後は好々爺 こんなところか。1)、2)は市民運動家として培った手法…

抑止力とは効力を証明できない力

昨日は広島の「原爆の日」。新聞は式典について一斉に報道した。日経によれば、この1年間に死亡が確認された人数は5785人、合計の原爆死没者は27万人強である。当然、核兵器廃絶と世界恒久平和を平和宣言で訴えていた。核兵器廃絶について、核兵器の…

権力欲と金銭欲〜河村名古屋市長と孫正義氏

「確かに、われわれは、ブルジョア的な快適の追求と、富への欲望の危険に対して軽蔑の念を「植えつけ」られているので、もしコミュニストが、富への欲望をもたず権力に対して欲望をもつようになると、たやすく一見、理想主義とそれをとりちがえがちである。…

太陽光エネルギーを寄附する会はできないか?

太陽光パネルを設置できるのは、資産・財産を持っている人たちだけである。そのエネルギーを通常の電気料金よりも高い価格で買い取れば、そのプラスされた分は太陽光パネルを設置できない、資産・財産を持っていない人たちも負担せざるを得ない。神奈川県、…

脱原発政策は、宮崎繁三郎少将の撤退戦が必要

原発事故の対応は、『時間をめぐる決断の闘い』であり、ミッドウェイ海戦で、鋭い発想で即時の決断を進言し(受け入れられなかったが)、その後も戦艦・飛龍で反撃した山口多聞少将の判断力を必要とした。しかし、脱原発政策は基本的に撤退戦である。それも…

権力の継承のルール〜管直人首相をめぐって

“しかるべきとき”とは、この意味が浮遊している。日本の政治におけるあいまいな表現が継承され、その言葉の本来の暗黙の意味が消され、言葉本来の意味がよみがえってきた。これが管直人首相をめぐる最近の政治状況であろう。安定した世界は権力継承のルール…

多数決原理

討論し、意見を統合する契機があるから多数決が最終的に認められる。それがなければ、潜在的戦争状態である。実力が原理になる。

政治による安心提供〜ストレステストの意味

原発のストレステストは、国民の不安に対して政府が安心を提供することを目的として、実行されるらしい。川崎市総合計画では、7つの基本政策の一つに、『安全で快適に暮らすまちづくり』がある。その一方で、阿部市長が三選選挙で掲げた5つのキーワードの…

管直人首相辞任の状況を作りだせない…間隙に

衆議院で信任された菅直人首相を直接的に辞任させることは、難しいと書いた。信任された菅直人首相は続けて当然 http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20110624その間隙を縫うようにして台頭してきた人物がいる。国民新党・亀井氏である。日経BPで田原総一朗…

民主党、減税日本、みんなの党

この三つの党に共通なのは、最近、議員数で急成長したことだ。要するに新人議員が多い。そこで、問題は、彼らの政治的能力である。いや、その前に、彼らがどのような政治家を目指しているか、それに対して研鑽に励んでいるか?民主党の菅首相不信任案騒動の…

現代日本の成長戦略とは、成熟戦略である

成熟とは柔軟性をもって変わっていくことである。変わることによって成長することが、今の日本に求められている。 既得権益を守り、硬直化、形式化が進む中で、これまでの経験の蓄積を改めて見直し、それを再整理して生かし切ることが成熟への道である。既得…

信任された菅直人首相は続けて当然

国会で不信任案が否決され、信任された菅首相が何故辞めるのか? これは世界の七不思議である。辞めるべきと考えている議員であれば、不信任するはずである。だが、しなかった。その翌日から信任した人たちが、「首相は、いつ辞任するのか?」と騒ぎ出した。…

懲りずに、またも五輪の招致

東京都の石原知事は2020年夏季五輪の招致の意向を示した。大震災の被害を一身に受けたのは、東北地方である。東京都は電源を東北地方に頼り切っていたことが暴露された。一方、原発事故でその地元が苦しい思いをするなかで、多少の援助はしたが、ほとんど何…

管直人首相を辞任させるには

管直人首相への辞任要求はフニャフニャで腰砕けの感じである。信任した次の日に、信任した人たちのなかから辞任の時期の話が出てくるのだから、所詮、オポティニストの集まりか、と思ったが、その通りであった。議員内閣制にあっては、本来、不信任決議は出…

菅直人首相の不信任、信任、辞任を考える

良くわからない結末ではあるが、…「劇」は続いているかに見える。以下に、論考をまとめたので、ご参照下さい。『地域から世界までを考える自己認識の政治学』 http://blog.goo.ne.jp/goalhunter_19482011/6/5 管直人首相の代議士会発言の核心 「若い世代への…

『あの戦争と日本人』を読む

たとえば、『太平洋戦争と私たち』という題ならば、自分たちのことかなと直感する。しかし、この本の題、“あの”という言葉はどこか離れた視点から見ている感じがする。『あの戦争と日本人』(半藤一利著 文芸春秋社 2011)本文以外の腰帯、目次、まえがき、…

ビンラディン氏のジハートと“絶対の敵”(改訂)

5月26日「ビンラディン氏のジハートと“絶対の敵”」を改訂http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20110526/1306414736 ビンラディン氏は、1979年の旧ソ連によるアフガニスタン侵攻の際、アフガン側にゲリラとして参加し、旧ソ連を退却に追い込んだ立役者のひと…

ビンラディン氏のジハートと“絶対の敵”

ビンラディン氏は、1979年の旧ソ連によるアフガニスタン侵攻の際、アフガン側にゲリラとして参加し、旧ソ連を退却に追い込んだ立役者のひとりである。 このときの戦いは、侵攻に抵抗する土着の住民を支援するイスラム教徒としての聖戦(ジハート)であった。…

「ゼロではない」は「事実上ゼロ」〜班目注釈学

昨日の続き。重大な意思決定をするときに、注釈が必要な言葉を使うとは!読売新聞によれば、班目委員長は、 「…『再臨界の可能性はゼロではない』と言ったのは、事実上(可能性は)ゼロだという意味だ。『注水はやめた方がいい』とは絶対に言っていない」と…

再臨界の可能性はゼロではない

マスメディアの一斉報道によれば、 政府・東京電力統合対策室は22日、内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長が菅首相に「再臨界の危険性がある」と進言したとの21日の発表を、以下に訂正した。「首相から再臨界の可能性を問われ、再臨界の可能性はゼロ…

米国の戦争観と正義〜永井政治学に学ぶ

永井陽之助氏は米国の戦争=平和観に「正義の戦争」という思想がひそむことを『平和の代償』(P167)で指摘していることを「ビンラーディン氏の死」で述べた。http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20110503 この著作は中央公論に発表した三つの論文から構成さ…

ビンラーディン氏の死ージハート対正義の根源〜永井政治学に学ぶ

報道によれば、 『オバマ米大統領は1日夜(日本時間2日午後)、テレビで緊急演説し、2001年9月11日の米同時多発テロ事件の首謀者として手配していた国際テロ組織アルカイダの最高指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者(54)を殺害し、遺体を収容したと発表し…

序にかえてー追悼の辞〜永井政治学に学ぶ

永井陽之助氏は“自己認識の政治学”を目指したひとりの学徒であった。既に2008年12月30日に亡くなられている。 丸山真男氏を筆頭として、岡義達氏、京極純一氏、升味準之助氏らと共に戦後「政治学」を日本において構築した「東大学派」のひとりである。 「巨…

東京の新しく、脆い「普通」〜FT紙(4/5)

ファイナンシャルタイムズ紙の記者が報じる“東京” これらの事象を、分類すると、どうなるだろうか? 以下のコメントをつけてみる。1)本当は必要だが、できないこと。 2)実は不要であり、無くてもよいこと。 3)新しい事象、今後も続けていくべき? 4)…

選挙活動のスタイル

個々の政策ではないが、選挙活動のスタイルとしていわゆる選挙カーを用いない方法を使う候補者がこれまでも少しずつ増えてきているように感じる。 これまでは、好奇の眼でみられがちなやり方であった。しかし、今回の東日本大震災の後ではその意味合いが違っ…