選挙活動のスタイル

個々の政策ではないが、選挙活動のスタイルとしていわゆる選挙カーを用いない方法を使う候補者がこれまでも少しずつ増えてきているように感じる。
これまでは、好奇の眼でみられがちなやり方であった。しかし、今回の東日本大震災の後ではその意味合いが違ってくるような気がする。

(1)短期的には、選挙での公費をできるだけ使わず、
    費用を節約して災害復興対策にできるだけ充当させる意思表示である。

(2)長期的には、不特定多数を対象とした「絶叫的連呼型選挙」から、
    ひとりひとりを対象とした「語りかけ的説得型選挙」への移行である。

延期を主張した方も多い異例の選挙ではあるが、被災者の方に対して候補者個人の考え方で誰でも費用を節約できるのだ。

また、騒音をまき散らすのが主で、政策を訴えることが少ない選挙カーが少なくなることは有権者として歓迎するであろう。今回は、政策を本格的に訴えるところまで、なかなか達しないと思われるが、方向性が見えるとその次に期待を持てる。

今回の選挙はその意味で後から、「選挙活動の転換期」であったとみられるかもしれない。
各候補者の選挙スタイルを意識して見分けるのも有権者の楽しみの一つとしても良いのではないだろうか。