レヴィ・ストロース氏の死

 手元に本がないが、「野生の思考」のエピグラムにバルザックの言葉が掲げられていたはず。確か「思考から行動に至るときの野蛮人は完璧…」というような…。分類という認識方法を徹底し、その認識から一気に、直感的に、全体を包括的につかみ取る「野生の思考」。
まさに思考であって、現代人にも実は共通する部分がある。
これが『野生の思考』(みすず書房大橋保夫訳 を読んだときの印象。
今、鮮やかに思い浮かんでくる。


「知識がその有用性に従ってきまるのではなくて、知識が先にあればこそ、有用性ないし有益という判定がでてくるのである。」
「呪術的思考や儀礼が厳格で厳密なのは、科学的現象の存在様式としての因果性の真実を無意識に把握していることのあらわれであり、したがって、因果性を認識しそれを新調する前に、包括的にそれに感づき、かつそれを演技しているのではないだろうか?」


 構造主義確立、レヴィ=ストロース氏死去(09/11/4 読売新聞)
 【パリ支局】
 フランスの人類学者で思想家のクロード・レヴィ=ストロース氏が死去した。
 100歳だった。


 AFP通信が3日、出版社からの情報として伝えた。
 レヴィ=ストロース氏は、ブラジルでの人類学調査などを通じて、構造主義の手法を確立、サルトル実存主義を批判した。
 コレージュ・ド・フランス名誉教授。フランス学界最高権威のアカデミー・フランセーズ正会員。著書に「悲しき熱帯」「構造人類学」「野生の思考」「神話論」などがある。