松田選手考(2)成熟への道を歩めずに身を滅ぼす

昨日、健康管理の問題を述べた。これはテンツバであって、直ちに筆者自らを含めてサッカー選手を辞任するすべての人に問題として跳ね返ってくる。健康管理の問題は体だけではなく、心身の問題であるからだ。

この視点から言えば、松田選手は人生航路のなかで、成熟の道へ舵を切ることができず、新たな自己像に到達できないうちに、身を滅ぼしたという印象を禁じえない。

しかし、それは我が身と同じではないと言い切れる人はそれほど多くはないであろう。

松田選手はいささか若い自分を持て余していた感があった。戦力外通告を受けてマリノスから去るとき、ファンに向けて、サッカーを続けたいことを大声で訴えていた。自らに与えられた客観的な評価に耐えることができず、単に自らだけが維持するこれまでの自己像にしがみついていた感があった。

その意味でJFLへの移籍は、あてどもない自分探しの旅でもあったかもしれない。