国民の着実な判断の変化による政権交替

投票率69%のなかで起こったことは国民の着実な判断の変化による政権交替であった。下の表はこれまでの国政選挙における投票率、得票率の数位である。

年   01 03 04 05 07 09
首相  小 小 小 小 安 麻
選挙  参 衆 参 衆 参 衆
投票率 56→60→56→67→58→69
得票率
与 党 56→50→45→51→41→38
野 党 39→50→51→46→54→61

民主党による自由党の吸収により、03年11月の衆院選挙が二大政党制が走り出したときである。

ここで先ず、01年7月の参院選から期待を込めて野党を39%から50%へ押し上げている。この上昇率は今回の野党の得票率上昇よりも4ポイント高い。尤も、高い値を更に高くするほうが難しいのは確かであるが。

次に04年7月の参院選では野党は50%維持、しかし、与党は5ポイント下がっている。こうなると、01-04年の3年間で既に与野党逆転している。

続いて05年の衆院選挙である。これが郵政民営化の「住民投票」であり、与党内の構想が野党を呑込んだ形になった。すなわち、実質的には与党改革派、与党守旧派、野党の3グループのなかから選択すべきものであったが、表面上は改革に賛否を問うかことで、与党改革派か野党かの選択になった。

ここで04年の結果が逆転し、与党改革派に政権が委ねられたかに見えた。ところが、安部政権で改革派は続かず、07年7月の参院選では再度得票率が逆転し、長期的には郵政選挙の異常さを明らかにすることになった。

そして、今回の選挙結果である。郵政選挙を外してみれば、8年間で
与党56→38 単調減少
野党39→61 単調増加
それぞれほぼ20%の増減ときれいな現象になる。これこそは国民に判断の変化による政権政党のコントロールであろう。

年   01 03 04 07 09
首相  小 小 小 安 麻
選挙  参 衆 参 参 衆
投票率 56→60→56→58→69
得票率
与 党 56→50→45→41→38
野 党 39→50→51→54→61

実質的には戦後民主制において始めての国民による選択と位置づけられる。