倉橋惣三の保育思想〜佐伯理論による批判をめぐって〜


 『幼児教育へのいざない』(佐伯ゆたか著 東大出版会)の中で、幼児教育学者の倉橋惣三の保育理論を批判的に克服した形になる「ドーナツ理論」を佐伯は提唱している。その是非は学者ではない筆者が口を出すとこはない。勿論、関心はあるが。

 ここで感じることは次の言葉の置き換えである。
 倉橋が保育の真諦として語った「生活を、生活で、生活へ」という言葉を改めて再解釈すると、「文化的実践を、文化的実践で、文化的実践へ」となる、と佐伯は主張する。

 しかし、問題は「生活を、生活で、生活へ」という言葉は生きて我々の感性に響いてくる言葉である。しかし、「文化的実践を、文化的実践で、文化的実践へ」という言葉は最後まで言い終わる前に言っている方も訳がわからず言い淀む言葉である。

 「文化的実践」という言葉は勿論、文化科学的な定義はされているであろうが、しかし、長い言葉による定義なしには理解不可能な言葉である。

 狭い学問的な理屈を超えて「生活を、生活で、生活へ」という言葉は生き残っていく言葉であろう。

 そこにこそ、“倉橋の真価”が示されているのである。

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