市民による「国王殺し」

元代表制である地方自治の特徴は市民による「国王殺し」が可能なことである。首長の多選が禁止とか言われるのは、現職に対して寛容な我々の体質を表している。国の政治と異なり、現職首長の選挙で落とすことができるのが、最大の特色だが天下の宝刀は余り使われていない。


古来?日本は国王殺しがなかった。単に部族の長からから始まった皇室は連綿として続いている。第二次大戦でヒットラーは自殺し、ムッソリーニは処刑されたと聞いている。日本では丸山真男の鮮やかな分析にあるように、矮小な官僚群がいるだけで独裁者などはいなかった。


地方自治体の首長選挙によって首長の交代が図られることが普通におこなわれるようになって、始めて市民の政治的成熟が図れるのである。これが市民自治の原点である。