公明党は川崎市長選で阿部氏を支持せず

秋・決戦:09川崎市長選きょう告示、公明は「自主投票」2009/10/11 毎日
http://mainichi.jp/area/kanagawa/archive/news/2009/10/11/20091011ddlk14010179000c.html
 ◇阿部氏の件「水に流してとはならない」
 公明党は市長選の対応について、参院補選と同様、「自主投票」とすることを決めた。衆院選後に阿部氏が民主単独推薦を求めたことについて「信頼関係を損ねる行為で、誠に遺憾」と強調、「水に流して(支援する)とはならない」とした。

 信頼関係は人間の基本的な問題である。「アイデンティティ理論」の創始者であるエリック・エリクソンは人間関係の基底に信頼関係を置き、それは幼児期の親との関係から形成されることを説いている。それは年と共に重層的に人との関係を築き上げていく。
(「自我同一性」小此木啓吾訳編(誠信書房)1973)
 阿部氏が個人的に信頼関係の形成に欠陥がある人だとも思われない。あるとすれば、この8年間で少しずつ形成されてきた「権力者のおごり」に由来するものであろう。

一方、公明党は自主投票である。
 ここで問われるのは本当に公明党が自主投票するのか、ということである。閉鎖的な巨大組織のなかで何が実際におこなわれているのか関心が集まる所以である。信頼関係という人間の基底にあり、一番大切なことを損なった人物に対する態度は宗教政党として鼎の軽重を問われるはずである。