川崎市長選へ向けての市政の基本的課題〜毎日新聞特集・連載〜

「140万都市のあす」 09川崎市長選 毎日新聞
この特集、6/9−6/13の5回に渡って神奈川版に連載された。

1)保育所「2,3年待ち」 人口増の陰で
2)内外で落差大きく まちのイメージ
3)明確な将来像を 行財政改革
4)地下鉄めど立たず 縦軸の交通網
5)歩み遅い連絡路 神奈川口構想

 この題目は川崎市の基本的課題をしっかりと整理している。従って、現在の市政を批判していることは確かである。それがなければジャーナリズムにはならない。

 しかし、だからといって反阿部のキャンペーンではない。
 岡本ひいきというよりも阿部嫌いの人がこれを読んで喜んだとしたら底の浅い考え方である。岡本氏の掲げる政策もこの特集の視点からは鋭く批判されることは免れない。

 この特集の優れた点は誰が市長になってもこの課題を解決することはできないとの視点に立っているところである。甘い幻想を選挙のときだけにばらまく候補者に対する市民の視点からの根源的批判になっているからである。あるいは、甘い期待を抱く、一方の陣営に立って宣伝活動に従事する、こういう市民への批判でもある。
 これらの課題は「パズル」のような解決というよりも、しのぐ、避ける、待つ、取り敢えず実行する、対応案を出す、等のことがジグザグに行われて進んでいく「難問」に他ならないからである。

 ところで、筆者が一番大切に考えることは市民の「知的財産」を向上させることである。
 人口減のもと、ひとりひとりが質的向上を図らなければどうなるのか…。子どもの教育だけではない、非正規雇用に悩む若年労働者層、これからも人数が増えていくであろうアジアの人たち、当然、高齢者たちもである。
 どこかの地域では知事が「百ます計算」を町村にやらせようとしているが、そんな問題ではない。