横浜市長・都市州の思想

大都市制度を提唱する横浜市の思想がこの記事の中に表現されている。
「産業の集積を進めたい」
「横浜を解体したら非効率になる」

要するに「横浜における企業活動を統括する」思想である。
その手段のキーワードは「効率」、「権力」である。

「権力」とあからさまに言っていないが、この思想は「権力」を最大限の行使しようとする野心から生まれたと言って良い。
これまで国家官僚が握っていた権限を分権で自治体官僚が貰い受け、更に「効率」のもとで、住民自治にほおかむりするとの発想である。極めて官僚的と言わざるを得ない。
横浜市の資料をみれば判るが、中田市長の考える基礎自治体は“本当の自治体”ではない。これを基礎自治体と言いくるめるのは恐るべき思想である。

「市内に基礎自治体を設ける。ただ、横浜を解体したら非効率なので、どのような基礎自治体かは議論すべきだ」

横浜は都市州 2009/06/18 カナロコ
 内閣官房の諮問機関「道州制ビジョン懇談会」(座長・江口克彦PHP総合研究所社長)の税財政専門委員会が18日、都内で開かれ、横浜市中田宏市長が大都市制度構想について説明した。道州制導入の際には横浜など大都市が独立した都市州になるべきだとする内容。中田市長は「現在のままでは大都市のダイナミズムは生きてこない。都市の魅力を高め、産業の集積を進めたい。大都市制度は日本全体の活性化が目的」と強調した。
 中田市長は「横浜、大阪、名古屋3市による大都市制度構想研究会」の提言内容を紹介。「大都市制度は、大都市だけ発展しようとしているのではない」と述べ、税収を道州、都市州の間で水平調整する仕組みを提言に明記していると説明した。
 委員の堺屋太一氏らが「横浜が都市州なれば、その中に基礎自治体を作るのか」と質問したのに対し、中田市長は「市内に基礎自治体を設ける。ただ、横浜を解体したら非効率なので、どのような基礎自治体かは議論すべきだ」と答えた。