会派構成は多摩市に何をもたらすのか〜多摩市議会改革特別委員会傍聴記2

 多摩市議会議員は26名(欠員1名?)、公明党日本共産党各5名、多摩市議会自民党、改革ゆいの会4名、民主党TAMA生活者ネット無所属の会各3名、あおぞら、三日月会各1名であるから細分化されている。公明党日本共産党という上部組織とつながった会派がローカルパーティ風な自民党民主党よりも多数であることが何を意味しているのか、ひとり会派も含めて他の4会派がどんなスタンスで議会改革に臨んでいるのか興味深い処である。

 会派拘束があるとしても会派数から考えて、これが如何に複雑な構成であるのか、最小限の過半数を形成する場合の数を考えれば判る。議長は現在多摩市議会自民党の藤原議員であるから、その人数を3名にして過半数13名をとるケースを想定しよう。論理的可能性だけを示せば「31通り」である。

 例えば5名、4名、3名、1名の会派が一つずつ組むと、12通りできる。或いは、最大会派である公明党日本共産党両会派が加わらなくても、改革ゆいの会、多摩市議会自民党民主党TAMA生活者ネット無所属の会で13名になる。

 川崎市議会は63名いるが、自民党民主党共に18名、公明党14名、共産党10名、神奈川ネット2名、無所属1名である。この場合、自民党民主党公明党のうち2党が合意すれば32名を越える。即ち、「3通り」しかない。

 「31通り」と「3通り」のゲームの比較では、[3の3乗]=27<31であるから「31通り」の方が[10の(3―1)乗]=100倍以上も面白いはずである。
 更に面白くするには「31通り」の組合せをすべて一覧表にし、本会議のときに市長の見えるところに張り出しておくのも一つかもしれない。
 冗談はさておいても、多摩市議会での緊張感と駆け引きは、川崎市議会の及ぶ処ではないのと考えられる。場合によっては意見が合わずに膠着状態で議会として何も進展しない可能性を含みながらも、一方追随するだけでは埋もれて存在感がなくなることも恐れなければならない。

 更に、多摩市民が議会に何を託して投票し(或いは期待せずに棄権し)、この結果に対して何を優先して求めるのか、これが合わせて大切なことである。
 8会派が合従連衡して是々非々の結論を出すことで市政を牽引することを望むのか、市長の施策に反対せず、それぞれの会派がその下で利益代表としての働きを期待するのか?或いは他のことを考えるのか?何も考えずにお任せか?それを各会派がどう読みとり、議案議決への道筋を織りなすのか?多摩市議会ウォッチングの会がそれをどのように評価し、市民へ伝えようとするのか?

 多摩市をintegrateする道筋は、それぞれリスクを抱えながらも幾通りにも分かれるようである。そのなかで、多摩市議会が“政治的賢さ”を身につけ、発揮することが先ず求められるように思われる。


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