片山発言「自治体議会の八百長と学芸会」をめぐって
前鳥取県知事・片山慶大教授の発言「地方議会の八百長と学芸会」に関する報道をめぐって北海道議会等の反撥があったことのは昨年の今頃である。しかし、言葉だけが先行するマスメディア報道に引きずられて議論が深まらなかったようだ。
発言 第18回 地方分権改革推進委員会 議事録(H19/9/18)
「…非常に言いにくいことですが、全国の自治体は約1,800 ありますが、ほとんどの自治体の議会では「八百長と学芸会」をやっています。「八百長」というのは、結論を決めてから試合をすることです。議会で議論をして物事が決まっていくのが本来の議会制民主主義ですが、結論を決めてから議会を開く。それは先程の国会でも、法案を通すことを決めてから参考人から意見を聞くというやり方については同じです。「学芸会」というのは、シナリオを決めてそれを読み合うということで、一字一句すり合わせをしたものを読む自治体もあります。一番ひどいのは北海道ですね。…」
筆者のコメントは以下である。
*言葉を簡潔に定義して使用…冷静な認識を示し、表現上は問題ない発言
*北海道議会等の「八百長と学芸会」マスコミ報道への反撥
→反論するなら 「結論」「シナリオ」について説明責任を果たす
→お互い理解し、賢くなる道では…
一方、川崎市議会・本間議員(公明党)の発言 決算審査特別委員会(H19/09/27)
「質問に入る前に、最近目にした記事で、ちょっと腹立たしい記事がございました。鳥取の前の知事、片山さんが事もあろうに、ほとんどの地方議会は八百長である、学芸会であるというような発言をされておりました。非常に失礼な話だと思います。」
筆者のコメントは以下である。
*“記事”に対する反応であって、中味を吟味していない。
*市議会の名誉を或る意味で救った?ことにもなるが…賢くはならない
筆者も確か、
「…川崎市議会よりも小学校の児童会の方が質疑応答らしさの点でましだ…」
と発言したことがある。
問題意識は片山氏と共通、従って、片山発言の議事録を確認し、その真意を知ることができたのである。
結局、素朴な意味で質疑応答とは言えない現象、それを無批判に、惰性的に行っている状況を批判するならば、その言葉は造語か、既成概念を横滑りさせるか、どちらかしかないのである。