川崎市、調停勧告不受諾を公表、トナミ運輸増築工事


 ついにやったか!という感じ。

 川崎市は高層マンション建設を筆頭として周辺への迷惑をいとわない建物が多い。

 “まちづくり”に奔走する地域住民の立場から、議会への陳情・請願が多く、審議が滞っているとの話を聞いたことがある。

 筆者の近くでも問題になっているマンションがある。

 以下、東京新聞である。

【神奈川】2008年7月10日 東京
トナミ運輸川崎支店増築工事 川崎市、調停勧告不受諾を公表 『誤解招き遺憾』と同社
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20080710/CK2008071002000107.html

 運送大手トナミ運輸の川崎支店(川崎市高津区溝口五)の増築工事をめぐり、市は建築等紛争調整条例に基づき、同社が住民との調停の勧告に応じなかったことを「正当な理由がない」として、事業名や事業者名などの「事実公表」をしたことが九日、分かった。市が建築紛争で「事実公表」をしたのは初めて。

 同社は「法律に基づいて建築を進めていて、違法行為をしているわけではない。事実公表は誤解を招く恐れがあり、極めて遺憾。弁護士と対応を協議する」としている。

 同支店は新二子橋近くの国道246号沿いにあり、敷地南側は住宅街。市によると、増築計画は住宅街に面していた社員寮三棟を壊し、4階建て倉庫(高さ約20m、横約180m、幅約27m)を建設し、屋上に従業員用駐車場(約百台)を設置する内容。二月に着工。同社は環境に配慮し壁面緑化などを実施するとしている。

 周辺住民グループは昨年九月、駐車場設置などによる大気環境の悪化などを懸念。計画の見直しを求め、市に条例に基づき調停を申請した。
 市は十月に調停の受諾勧告をしたが、同社は調停に応じないと回答。市は十二月、調停に応じない正当な理由がないとして、事実公表の実施を通知。さらに市は六月二十三日に、七月八日付で公表すると通知した。

 これに対し、同社は六月二十六日、事実公表の差し止めを求める仮処分を横浜地裁に申し立てた。同地裁は七月四日、「処分性がない」と申し立てを却下したため市は八日、市役所などで公告した。

 工事をめぐっては、周辺住民グループが市に同社との協議経過に関する公文書の開示を請求。一方、同社は市に非開示を求める訴訟を二月に横浜地裁に起こし、係争中。
 市まちづくり局は「トナミ運輸との交渉内容は、情報公開の訴訟で争っており、正当な理由がないと判断したことなどについても説明できない。公表は条例に基づいた手続きで粛々と行った」としている。