川崎市住民投票条例素案を読む


 最大の問題は住民発議を議会が2/3以上の反対によって拒否する権利をもつことである。これは本条例の目的にそぐわないものではないか。本条例の目的は間接民主主義の制度下(代表選出選挙とリコールの間)で、対立がある重要事項について最大限に住民意思を尊重しようとするものである。従って、代表の権利は最終決定権を担保すること、住民と同様に発議権を有することに限られるはずである。従って、その手続の段階で市長、議会が拒否権を有することは制度設計としては自殺行為に等しい。