知的立国と知の地域づくり 慶大教授 片山善博氏 講演


知的立国と知の地域づくり一知的立国を地域で支え、実現するのが知の地域づくり

http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20080128/1201529574 の続き


「知的立国とは」
 科学技術立国一科学技術の力で国民を豊かにし、世界に貢献する
 文化芸術大国一質の高い文化芸術が国民を心豊かにし、世界の人々を魅了する
 清潔で透明性の高い政府一土建国家、軍事大国、金満国家でなく、教育を重視する
 自立した市民一良質の政府を形成し、科学技術や文化芸術を支えるのは賢明な市民


「市民の自立とは」
 自ら考え、自ら判断・決定し、自ら行動する
 自己の潜在能力を十分生かして自己実現を図り、社会に貢献する
 自立には、質の高い教育と「知の拠点」の存在が必要一義務教育と図書館が無償の理由


「図書館のミッションー『誰のために」、「何の目的で」存在するか」
 図書館は一人ひとりの市民の自立を支えるための「知の拠点」


「地域図書館一市民が自ら考え、自ら行動するために必要な知識や精報を提供」
 (例えば以下のような分野)
 ・地球環境問題と地域の取組み
 ・基礎的自治体のあり方と市町村合併への対応
 ・草の根自治を知る一欧米の地方自治に関する情報など
 ・教育一北欧の教育事情に関する情報など
 ・文化芸術一日常的に文化芸術に親しみ、心豊かな生活を送るには
 ・仕事一さまざまな職業に必要な技術、制度、経済、統計などの情報や知識を提供
 ・生活や子育て一地域や家庭のカの弱体化を補う意味でも、的確な情報提供機能が必要
 ・健康と病気一病気や健康に関する情報提供が個人の健康回復や心の平安をもたらす
 ・地域の歴史や文化、伝統などの資料・情報一市民主体の「地域の自立」には欠かせない


大学図書館一学生と研究者、それに経営・事務部門に対しても支援」
「県庁図書室一職員が中央官庁に依存しないで政策立案に必要な資料・情報にアクセス」
「議会図書室一議員が執行部に依存しないで必要な資料や情報を入手できる」


学校図書館
 ・子どもたちが主体的に学ぶ『生活習慣』を育む一将来の地域図書館の良き利用者に
 ・職業・就業観を養う一自立し職に就くことΦイメージを掴み、進路選択に自信を
 ・教職員の教材づくりや様々な仕事のサポートも


「図書館がミッションを果たすためには資料・情報と利用者との媒介機能(司書)が不可欠」
 ・多くの自治体では、十分な予算、人員が確保されていない現状にある一蔵書、司書
 ・図書館行政が「質素」な東京都は、3、000億円の財源余剰を国に召し上げられる