「常識ある人間なら誰だって知っているとは言えない問題に関して自分の考えを述べずには、政治をすることはできない。」(「党派」『現代世界の考察』)
「この小論集は、特に、体系など持たず、党派から離れている人々、従って、疑わしいことを疑い、疑わしくないことは決して拒否しないという自由をまだ持っている人々に捧げられるものである。」(「序言」『現代世界の考察』)
すなわち、ヴァレリーは次のように言う。
「政治家は知らないことでも知っていると言わなくてはならない」
「住民は知らないことは知らないと言える自由をもつ」
なお、「ヴァレリー全集」(筑摩書房)は全12巻。