サッカー高校選手権観戦記〜岡山作陽対青森山田〜


 久し振りに高校サッカーを観戦した。2回戦屈指の好カードということで駒沢は場所も自宅に比較的近くということで出かけることにした。少したかを括ってジャケットのコートであったが、吹きっさらしの風は凄く冷たく帰宅してみるとのどが少しやられているようであった。


 さて、試合である。正面スタンドの高い位置での観戦であったから選手ひとりひとりは判りにくいが山田の選手は概して体ががっちりしていて高校生にしては体が良くできているようにみえた。といっても、個々の技術もまたしっかりしたものを持ち合わせていた。特にトップのNo.10はスピードもあって裏を突くことも出来るタイプであった。

 これに対して作陽も球際では良く競り合い、1対1ではカバーの速さも含めて対応できていた。トップのNo.14に当ててそこから展開を図る攻撃は前半の前半に功を奏してボールキープでは上回っていた。しかし、ボールの展開、第2戦のフォローがやや遅く突破がなかなかできなかった。

 山田もまた、カウンターの速さ、フォローの良さはあるが、攻めは比較的単調でチャンスがなかなか作り出せず、前半は0−0で終了した。


 後半も同じような展開ながら山田のフォローの良さがやや作陽を上回って中盤を支配、作陽は守備ラインと前線が分断されているように見えた。それでもMFのフォローができるようになるとパスが繋がり、ゴール前での山田の反則を何度か誘ってチャンスを作り、左からのFKをタイミングを少し後にずらして飛び込んだ選手がヘッドで見事に先制した。

 山田の反撃も素早く、これもFKで右のペナルティエリア直ぐ外、クロスを作陽がクリアしたが、拾われて再度のクロス、混戦から山田が決めて同点。がぜん白熱して責め合い、カウンターから作陽No.14が個人技で右側から食い込んでゴール前に流すも、山田のDFがゴール前で作陽FWを倒しPK、これを作陽が落ち着いて決めて決勝点となった。


全体的に白熱した好試合であった。DFの健闘が目立ったが、攻めが両校共に単調でサイドチェンジ等で広いスペースを作る等の工夫に乏しくややボールのけり合いに終始していたのは残念であった。もっと突破を仕掛ける積極性が欲しい。