戦前軍国支配者の精神形態と守屋元事務次官

新聞報道によれば、守屋武昌前防衛事務次官が軍需専門商社「山田洋行」の元専務とゴルフを繰り返していた問題で、守屋氏は元専務との関係について、
「20年以上前に知り合いになり、家族ぐるみのつきあい」と説明。
利害関係者とのゴルフやマージャンなどを禁じた自衛隊員倫理規程が00年に施行された後もゴルフなどを続けた理由については「倫理規程は認識していたが、長年の個人的つきあいからやめることができなかった」と述べたという。



守屋氏は「公的規範」(倫理規程は認識)よりも「私的事情」(長年の個人的つきあい)を優先した、というよりも、やめることができなかった、という不作為とそれを隠すための希望的観測に耽り、自らの権力を庁内で振り回しいたかのようである。


これを読んで思い浮かべたのは、丸山真男氏の『軍国支配者の精神形態』(「増補版 現代政治の思想と行動」丸山真男著 未来社1964年、なお初出は1949年5月号の雑誌「潮流」である)。


ここで丸山氏は、太平洋戦争開戦の日の朝、グルー米大使を呼んで会談した東郷外相が、その時、戦争のことをグルー大使に話さなかった理由を東京裁判で述べた言葉を引用している。「私はグルー大使とは長年の知り合いでありますから、この際あまり戦争ということを口にするのを控えたいという気持がありました。」


このような私的な感情が公的でかつ重要な会談で支配していたことを、日本支配層を特徴づける矮小性と論じた。将に、現代の事務次官もそのDNAを素直に引き継いでいるかのようである。


それにしても、丸山氏の射程は60年近くたった今でも有効であることに新鮮なショックを覚えるものである。


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