川崎市「行財政改革」を視る眼2 〜ライフサイクルへの影響〜

川崎市行財政改革」を視る眼2 ライフサイクルへの影響

ゼロ歳児からの保育、教育現場としての学校、のニートへの就職斡旋、シニア世代の地域活動参加、高齢者の介護、いつのまにか自治体行政のお世話になっている部分が大きくなっていること、これは単に量的な問題ではなく、質的な課題であることを認識することがαでありωでもある。


これまではせいぜい上下水道とゴミ処理であった。しかし、現状は個人の生活時間の中に自治体が入り込むようになり、ライフサイクル全般にわたってのサービス(民間の監理、指導も含む)を提供するようになっている。この場合、「改革」の視点は、水ぶくれした財政が破綻しないようにするとの発想に基づいているから、「改革=効率向上=経済効果」として対応が多くなされている。この原則はもっともであり、この追求をすべき分野が多々あることは確かである。民間部門の参入は積極的に進める必要があるし、何よりも縦割りによる規制や指導は廃止する方向で進めるべきである。


 しかし、上記の生活時間そのものに係わることは、“人間の営み”に属することであり、「効率」によっては改革できない部分を多く有し、「効率」を追求することがサービス低下を招く部分も存在することは多くの人が実感している処である。


川崎市のプランでは、新たな公共サービスの提供体制を構築するという。それは「官」と「民」との役割分担、適切な監視・指導・助言であるという。しかし、単に数値を追い回すだけでなく、また、役割をこなすだけでなく、市民の生活・活動全体を考えて、生活環境を整えるものでなくてはならない。

今、「効率と役割」に徹して却ってサービス不足に至る例がメディアで報告され始めている。これを市民との協働を進めながら克服するアプローチを築いていくことこそ、業務革新として最優先で取り上げるべき課題であろう。


改革とは、“業務革新”であり、“人間の営み”を考慮した生活環境を公共サービスとして構築することが、最優先の“業務革新”であるべきことを提案したい。これはスローガンには、なりにくい地味な仕事であろう。しかし、生活都市を築いていく基盤になる公的空間の人間像の創出を意味することを指摘しておく。


(生活時間の経済的性格についての先駆的議論は
『経済秩序における成熟時間』永井陽之助(「中央公論」'74年12月号、永井陽之助著「時間の政治学中央公論社所収を参照)


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