川崎市「待機児童解消」緊急5カ年計画を導いた石田和子議員

川崎市の「待機児童解消未達問題」については既に取り上げた。

川崎市、待機児童解消できず 〜再度計画策定
7/26 http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20070726

結局、
待機児童解消に3億32百万円/川崎市 カナロコ
8/27 http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20070828


これまでの計画を大きく見直す「緊急5カ年計画」によって再出発することになった。ともかくも、行政のお尻を叩いて緊急5カ年計画に持ち込んだ議会における最大の要因は何であったか?議会の質疑を通して探った。


石田和子委員(共産党
「改訂版素案の段階で推計の甘さがあったのも明らかです。推計を的確に行い、改訂版の事業推進計画に認可保育園の増設をさらに盛り込むべきことを強く要望しておきます。」


これがH19/3川崎市議会予算審査特別委員会の数々の質問のなかで、H23年度までに約2,600人分の入園枠を拡大する「保育緊急5ヶ年計画」を導いた鋭い追及であった。


その時の質問全文は以下のようであって、更にその前の質問全体をみても的確なものであることは良く判る。

「入所不承諾となった入所要件の高い児童に対する対応について、民間保育所を中心とした年度途中でのさらなる定員増による受け入れ、新たな認定保育園の認定やおなかま保育室の定員増により対応していきたいとのことです。しかし、いずれも年度途中の対応ですから、4月には間に合いません。それでも、そうした緊急対応を早急にしていただかなければ困る方が出てしまうわけです。一方で、民間保育所やおなかま保育室の定員増について、面積基準は遵守されなければなりません。ことしはAランクであっても不承諾は253人にも上りました。保育基本計画改訂版の素案では、2008年4月の溝口周辺への120名の新設園に高津保育園の園児85人が移行するのが前提ですので、高津区内の認可保育園の定員増は35人ということになります。来年のこの時期に再びことしのようにAランクであっても不承諾者がこんなに大勢出るようなことがないように、対応策を2007年度中にしっかり講じていただきたいと思います。改訂版素案の段階で推計の甘さがあったのも明らかです。推計を的確に行い、改訂版の事業推進計画に認可保育園の増設をさらに盛り込むべきことを強く要望しておきます。」


川崎市は新総合計画(H17-19)の重点戦略プラン『総合的な子ども支援』「保育環境の整備」においてH19/4の待機児童解消を謳っていた。

しかし、H19/2に計画が未達に終わることを認め、保育基本計画の再検討をおこない、2月に改訂版素案を提出した。それが石田質問の冒頭に記された「改訂版素案」である。従って、3月の市議会は「改訂版素案」に対する各会派の見解が述べられてしかるべきであった。

ところが、「待機児童解消」問題を質問した議員、
粕谷葉子(民主党)、猪股美恵(無所属)、吉沢章子(自民党)、石田和子(共産党)、青山圭一(民主党)、東正則(民主党)、織田委員(民主党)の中で、「改訂版素案」に触れたのは、石田氏以外に誰もいなかった。


他の議員は概して、自らの選出区だけのことを聞いている、出来ないことを責めているだけ、という部分が多い。従って、「待機児童解消」という意味で本質を突いた質問は石田氏だけであった。



例えば、「改訂版素案」ではH19年度当初から23年度まで1,200人程度の増加計画である。
一方、「緊急5ヶ年計画」はH23年度までに約2,600人の増加計画である。


改めて石田氏の質問、
「改訂版素案の段階で推計の甘さがあったのも明らかです。推計を的確に行い、改訂版の事業推進計画に認可保育園の増設をさらに盛り込むべきことを強く要望しておきます。」
の重みがわかるというものであろう。


なお、本稿は筆者個人の調査研究であることを明らかにしておく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
川崎市議会マニフェスト・公約を検証する市民の会」
活動を開始!現在、公式HP立ち上げ中
 → 詳細「仮設HP」

メンバー募集!関心をもたれている方、
メールへ連絡を! t_yoshii@hotmail.com
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー