寓話「ある鋳型工作材料屋」の商売〜小学生時代の思い出〜

 とある小学校の校門の近くで、レンガの鋳型に粘土を埋め込み、型を作ったあと、色粉末で着色して完成させる「鋳型工作」の材料を売るおじさんが露天で商売を始めた。

 最初はお金で鋳型、粘土、色粉末を買い、完成した作品をおじさんの処にもっていくと、その出来栄えによって“点数券”を引換にくれ、その点数券で、鋳型、粘土、色粉末を交換できるシステムであった。

 小学生たちは自分たちのなけなしの小遣いでその遊びを始め、次第にはまる子どもたちも出始めた。はまった子どもたちは、“点数券”の多さを競い合って、自慢するようになった。そのおじさんがある時からお金も直接、“点数券”に交換するシステムを追加で導入すると、その“プリレベートカード”としての “点数券”を、主としてはまった子どもたちが集めるようになるのも必然であった。

 次のある時から、おじさんは、ぱったりと姿を見せなくなった。はまった子どもたちも“点数券”の多さを競い合って、自慢する意味を失ってこの遊びは消滅した。残るはただ無意味な点数が書かれた茶色いボール紙のみであった。

 “プリレベートカード”のテレカが世の中でどの程度使われずに残っているのか?そんなこととは別にスイカの“プリチャージ”が広まり、更に決裁カード化していく。しかし、このビジネスの流れは、おじさんのようにどこか少しインチキくさい処を感じさせるのだ。おじさんの手法は子どもにもわかるのでが、「現代版おじさん」である巨大企業はそのからくりを隠している。保険金未払いの保険会社のように。


HP「散歩から探検へ」に“川崎市政との対話”を掲載
  http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/
MM「探検!地方自治体へ」で“自治体・川崎市政”を議論
http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/melmaga_01.html