自治体議会の費用対効果

 議会については何度か論じた。

 「“議員あって議会なし”の地方自治体議会」では、
 http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20070216

 口利きの形態は議員集団としての政党としてではなく、議員個人がそれぞれの圧力団体の利益を体現していくので、「議員あって議会なし」の状態である。地方自治体議会が真の議会として機能するためには、政策・立法を提案することが必須である、と論じた。

 また、最近の新聞論調では、
 「地方議員、監視役へ始動 夕張破綻の教訓、パイプ役じゃダメ/asahi.com
 http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20070213
 
 地方議員もようやく、「パイプ役じゃダメ」で行政の「監視役へ始動」している様子が報告されている。それでもごく一部に限られているであろうが。

 ところで、「川崎マニュフェスト2007への論評/毎日新聞」を読んで、
 http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20070219
 
 川崎市議会のこの4年間で、議員提案の条例がゼロであると批判されている。筆者の気が付く限りでも、議会として阿部市政に問題提起したことは皆無である。当然、議会での質疑応答はあるが、国会以上に国会的な、事前に官僚によって作成された応答集の棒読みに近いものである。そうすると、何が議会のアウトプットであるのか?議会費の費用対効果がゼロ?との試算も可能な状況である。

 例えば、川崎市の基本計画である“新総合計画”は行政によってP―D―C―Aサイクルを回すことになっており、H17年度の進捗状況評価が行政側設置の委員会によって行われ、報告が出されている。では、議会がどのように評価して、何を見直しすればよいのか、提案しているのであろうか。何をやっているのか、何をやっていないのか、さっぱり見えてこない。


 「議員あって議会なし」の状態が間近に迫った地方選挙によって改善される方向にいくのか、勝負処である。


「吉井 俊夫のHP・散歩から探検へ」:川崎市政関連の論考を掲載。
 http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/
姉妹編ブログ「備忘録」:07/02/9以前の川崎市政関連の論考はここに掲載。
 http://blogs.dion.ne.jp/ty9advs/