「EU」の始まり、「石炭・鉄鋼共同体」を知った頃

 先日、上山教授のブログに惹かれてEUに関する教科書的知識を思い浮かべた。ここで思い出したことは、「EU」の始まり。私が小学生高学年(1959−60年)の時、フランス、西ドイツを中心に「石炭・鉄鋼共同体」が出来たことを知った。

 少年用朝日新聞年鑑だったと思うが、今でも記憶がある。資源の乏しい日本は、工業で生き抜くしかなく、「石炭・鉄鋼」が日本でもバイタルインタレストであること。鉄鉱石の生産は少なく、一方、炭田はあるが石炭の品質に劣ること(夕張のことも日本の石炭事情とともに覚えている)等を知った。更に、戦後の日本は慢性的な貿易赤字で米国の圧倒的な経済力が数字でも良くわかった。

 当時、新鮮な知識だったのであろう。おそらく、そのころの日本経済のイデオロギーは、戦前とそれほど違いなかったのかもしれない。
 その「石炭・鉄鋼共同体」が、紆余曲折を経て「拡大EU」にまでなったのだから、先見の明、有りと言わざるを得ない。

 おそらく、その発想には、ヨーロッパの歴史的事実を背景にした文化・思想(政治的判断も含めて)が深く込められていたのではないか、と思う。我々日本人がそのことをどこまで掘り下げて現在理解しているのか?ちょっと、心許ない気がする。


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