川崎市長選 市営地下鉄を電池電車に、市長、本気?乱心!

 ネットニュースには取り上げられていないが、9/18の各紙紙面に市長記者会見の記事が載っている。
それによれば、これまで国の認可も得られていないにも拘わらず細々と工事を続けている市営地下鉄に、突如「燃料電池電車」が登場することになる。

 市長が次期選挙のマニフェストに載せるそうだ。本気かよ!!

燃料電池電車」は鉄道総研で開発されており、タイミング良く、研究発表がおこなわれている。
第225回 鉄道総研月例発表会
http://www.rtri.or.jp/infoce/getsurei/2009/Getsu7_J.html
日時: 平成21年7月16日(木) 13:30 〜 16:55
場所: 新宿 工学院大学 3階 アーバンテックホール
『車両技術に関する最近の研究開発』レジメ
http://www.rtri.or.jp/infoce/getsurei/2009/Getsu07/g225_2.pdf

この研究では、先ず非電化区間を走行するディーゼルカーの置き換えを対象としている。

これはリーズナブルな目標である。
いきなり通勤電車などへ適用する技術ではないことは専門家ならずとも技術開発の方法を心得た技術者なら誰でもそう思うはずである。
線路は既存のものを使い、1台もせいぜい2両程度、ダイヤも間延びして多くの車両を必要としないこと、トラブルがあれば既存のディーゼルカーを使えば良いのであるからテストしながら置き換えへ持っていくことができる。

内容をみると、これまでの1両編成からようやく2両にして試験走行!!上記レジメの3頁をみれば判るが、車両の中にバッテリー、充放電装置、燃料電池、インバータ、チョッパを車両内に抱え込んだ状態、かろうじて高圧水素タンクだけは床下に取り付けている。
このこと自体は開発初期段階として当然であり揶揄することではない。揶揄されるべきは知って知らずか、無責任な放言をしている市長である。

今後、連続走行の可能性を試験するのであるから開発は進むであろうが、置き換え技術であるから直ちに実用化するべき逼迫感はない。まして6−10両必要な通勤向けまで開発する社会的ニーズはないであろう。

岩隈千尋議員もブログに取り上げている。
氏は市長が乱心?と思ったそうだが、 I agree with you である。
http://blogs.yahoo.co.jp/chihiro1890/40093310.html

それにしても川崎市の財政にとって最大の問題を何故、茶化すかのような案を出すのであろうか。おそらく、阿部市長に意見を言う人は回りにいなくなり、イエスマンだけが残っているのではないか!奇妙キテレツな案がいとも簡単に世の中に喧伝されるのはそのためであろう。このままでは川崎市にとって致命傷になりかねない。