川崎市地下鉄建設計画は“100年近く債務が残る”リスクを抱える!

 表題が 「“首の皮一枚”の危うさ!」で議論した結論である。“子どもにツケを残さない”ことを考えれば、あるいはそう考えないとしても、川崎市地下鉄建設計画の再考は必至である。
 その一方で、川崎市の交通体系をどう考えるのか、大きな課題を残す。基本的な考え方としては以下である。
1)首都圏を中心にした広域地域での交通網のなかで鉄道計画を考える必要がある
2)川崎市として交通不便地域を中心にして地域ごとに、鉄道駅までの輸送、コミュニティ交通、更に南武線の高架化(踏切廃止、8両編成化)等を構想していくべきである

 さて、累積欠損解消年が“40年目”であることが地下鉄建設に対する国交省の認可条件である。
 一方で国交省の認可を得れば着工して良いわけではないことを確認しておく必要もある。

1)輸送計画よりも5%減少すれば、“40年目” をオーバー
6/26 http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20090626
 これに対して今年度更新された輸送計画は19万人/日である。例えばこれが5%減少すると累積欠損解消年が“42年目”になる。横浜市営地下鉄グリーンラインは30%程度減少であり、これに倣えば“40年目”どころか、100年を越える“永遠の債務残”になるかもしれない。

2)一般会計の負担の金利は948億円、実質は“40年目”を大幅にオーバー
7/1 http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20090701
 総事業費4,336億円のうち、企業債1,305億円、国家補助金1,201億円を除いた2010億円が一般会計の負担である。市債発行で賄うが、その金利は948億円であり、利益の50年分にも相当、実質的には累積欠損解消年“40年目”は大幅にオーバーすることになる。

3)以上から“100年近く債務が残る”リスクを抱えている!

4)アンケート結果から地下鉄建設「賛成」は14.5%、「反対」は26.6%
7/2 http://d.hatena.ne.jp/goalhunter/20090702
 「着工延期」44.8%の解釈を議会で論議するという曖昧な状況であり、市民の合意を取れたとはとても言えないと解釈するのが妥当と考える。