川崎市の審議会での発言録〜川崎市議会での質疑応答〜

川崎市議会の3月定例会の代表質問で嶋崎嘉夫議員(自民党)が「審議会等における発言録の作成」について興味深い質問をしている。

『本市では、パブリックコメント制度や情報公開条例の制定など行政情報の広報、開示に向けた積極的な取り組みを行い、行政機関における施策決定の透明性の確保に努めています。情報の開示を通じて市民参加の意識を高め、市民と協働する自治運営の進展を図ることは時代の要請でもあり、今後とも、必要な情報は積極的に開示する必要があると考えます。
 しかしながら、情報開示にかかわる個別案件を精査すると、課題の整理が必要と考えられる箇所も見受けられます。例えば、市長部局における情報開示及び発言記録等については既に一定の整理がなされていますが、各種審議会並びに議会承認人事に基づく各種委員会等では、特に委員の発言記録に関して共通の整理が統一されていないなど、課題の改善に向けた必要があると考えます。
 また、審議会における意思決定の経過を明らかにする観点からも、審議委員の発言記録は摘録扱いではなく、発言記録として明確に位置づけた上で記録すべきと考えますが、見解並びに今後の取り組みを伺います。』

総務局長(曽禰純一郎)の答弁である。

 『初めに、審議会等における発言録の作成についての御質問でございますが、本市の会議公開制度におきましては、制度の対象となっている審議会等の議事録の作成につきましては、条例の規定に基づき、会議の公開、非公開にかかわらず議事録を作成するものとしておりまして、議事録には原則として、会議名、開催日時、発言の内容等を記載するものとしております。
 しかしながら、発言者の氏名の明記等につきましては、審議会等の判断にゆだねられております。また、本制度の対象とはならない教育委員会、農業委員会等の行政委員会の議事録の作成につきましては、人事委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会のように法律で義務づけられている場合もございますが、それ以外の行政委員会は義務づけられてはおらず、作成する場合であっても、固定資産評価審査委員会を除き、その記載内容は各行政委員会の判断にゆだねられております。審議会等や行政委員会の議事録の作成につきましては、その機関の性格や審議内容等によって一様に定めることは難しい点もございますが、透明かつ公正な会議の運営を図り、市民の市政に対する理解を深めるためにも、可能な限り会議の情報が積極的に提供されることが望ましいと考えております。
 次に、審議委員の発言記録についてでございますが、会議公開制度におきましては、発言をそのまますべて記録する全録方式とするか、または要約して記録する方式とするかは審議会等の判断によるものとされております。どちらの方式にいたしましても、審議の経過がわかるよう作成するとともに、その内容の正確を期するため、審議会が指定した委員の確認を得ることとしております。
 いずれにいたしましても、市政運営の基本である自治基本条例の趣旨を踏まえ、市民への説明責任を果たすことが重要であることを徹底し、適切に対応するよう取り組んでまいりたいと考えております。』