川崎市議会の質問から(1)〜改革の影〜

 

リハビリテーション施設」(平成19年9月決算審査特別委員会)
 「リハビリテーション施設」は障害者の福祉施設として、居住型生活施
設を含むものである。ここで共産党・井口議員による次のような質問から始まる。

 『次に、井田地区の総合リハビリテーションセンター整備事業について伺います。
先日、陽光園、明望園、しいのき学園などを視察させていただきました。どの施設も築30年以上たち、おふろが1つしかない、女性20人定員にトイレが2つしかないなど、本当にひどい実態でした。何より問題だと思ったのは、陽光園では、8畳の畳の部屋に定員は4名、現状でも3名の男性が暮らしている。しいのき学園では多感な中学生の女の子たちが、1部屋にベッドを3つ並べて、そのまくら元だけは飾って自分の空間をつくっているなど、とても人権が守られていないということです。
 この現場で私は声も出ませんでした。一日も早く建てかえ、一人一人の人権とプライバシーを守るよう整備事業を推進するべきですが、見解を伺います。

また、国の補助金が打ち切られて、入所施設の新設が事実上望めない中で、まだ本市では入所施設の整備が求められています。この整備事業の中で特に要望の強いショートステイ、レスパイト施設の増設はできないのか伺います。』

 健康福祉局長の答弁では、施設の大部分が昭和40年代の建築、施設老朽化と耐震強度不足への対応が急務、新実行計画素案に示したとおり、計画的な再編整備を進める、となっている。

 要するに総合計画の中に載っているのである。即ち、状況を十分に認識して計画を立てているとの回答である。昭和40年代の今では貧しい施設であり、生活がかかっていることは最初から判っているはずである。それがようやく今、急務であるから計画され、実施されようとする。

 その一方で、音楽のまち・川崎と称して川崎駅近くに『ミューザ川崎シンフォニーホール』(http://www.kawasaki-sym-hall.jp/)が建設され、更に、しんゆり・芸術のまちと称して新百合ヶ丘駅近くに、光あふれるガラス張りのエントランスが特徴的な3階建『川崎市アートセンター』が建設された。
 (http://kawasaki-ac.jp/

 それは行財政改革が断行されている最中である。おそらく、貧しい園の中で生活している人たちは、遠慮もあるであろうし、また、まわりの関係者も行財政改革で金が無い、と言われれば施設の改善を大声で言い出せなかったと推察される。この質問によってようやく明るみに出されたわけである。

 将に“改革の影”である。

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川崎市議会への関心を広げる市民の広場」に掲載中
http://www.k4.dion.ne.jp/~kmk-head/

   開催案内 「高津区選出市議会議員と市政を語る会」
    月日 5月24日(土) 10:00ー12:30
    場所 テクノかわさきホール       
  http://www.city.kawasaki.jp/guide/public/si32.htm#103_34
    (JR南武線 武蔵溝ノ口駅下車 徒歩5分 )

     主催 高津区・市政を語る会実行委員会
     〜どなたでもお気軽に参加下さい〜

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