今道友信『現代日本の創造』より


これは「現代日本文化論10 夢と遊び」(岩波書店)所収である。今道友信の論点は様々有り、それぞれに洞察に富んでいる。ここでは、日本人の優美性と残酷性について論じている点に言及する。


法隆寺百済観音から、日本人の優美性は「島国で東端」という単なる地理的要因からくるものである。日本武尊、捕虜の耳削ぎ、秀吉のキリシタン処刑などから、特に日本が優美を特色とする社会とは言えない、と説明する。

小型、言語交流のない文化の輸入、これが小さく結晶化する。哲学的帰結が「あはれ」であり、美学的論理が「見立て」である。