首長と議会の非対称性 〜二元代表制〜

地方自治体は首長と議会議員を共に住民による選挙によって選出する。これが二元代表制である。一見、首長の権限が強く、その存在も大きく見える。更に現状の“賛成マシーン”と化した議会では、その存在意義が見えないのも確かである。大選挙区制という選挙制度のもあって、議員は地域、業界の利益代表のように振る舞っているからである。

元代表制などではなく国と同じに議員内閣制のようにすれば、との意見も無理からぬ処である。


しかし、この場合、リーダーシップを有する首長が現在の首長選挙と比較して、出やすいであろうか。滋賀県・嘉田知事は候補者として名乗りをあげられたであろうか?大分県東国原知事は?


一方、この制度の欠点として、知事の多選による行政の停滞、腐敗が挙げられる。これは大体において議会のオール与党化と対応する。議会の会派として取り巻き連中の声だけを聞き、それを何とか知事に頼み込んで政策に織り込むという態度では知事―会派のハイアラーキーは固定化される。これは二次元代表制ではなく、一次元代表制の寡占化状態である。


これを防止するためには、議会会派として住民との対話を行い、それを議会で討論し、意見を統合していく。それに基づき、行政の施策に出来るだけ織り込むこと、が必要である。これを通して地域全体に討論の習慣を作り出し、多元的な意見が出るようにすることである。そうすれば、選挙での政策対立軸が出てくるようになる。


HP「散歩から探検へ」に“川崎市政との対話”を掲載
  http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/
MM「探検!地方自治体へ」で“川崎市の行政・議会”を議論
  http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/melmaga_01.html