ビジョンがマニフェストを導く

 「川崎マニフェスト2007」を発表したときに、最初にそのパンフをもらいに行ったのが、川崎市役所の職員だった、という話を聞いた。出来すぎた話かもしれないが、納得もいく話である。抽象的な公約であれば、役人は無視してもかまわないであろうし、取り合ってもいられない、と考えても不思議ではない。


 しかし、具体的な政策が市議会選挙で主要会派から提案されたとなると、話は別である。何人当選するのか判らないが、議員の相当部分を占めることになると、「市民の支持」を無視するわけにいかなくなるからである。ただ、市長の与党であり、川崎市の新総合計画とリンクさせて議論しているのであるから、大きく変化することでないことは当然であろう。


 一方、住民にとっての問題は、具体的な政策案をどのように評価するのか?である。いきなり具体案を並べられても、今回のように一つの会派だけであれば、先ず“マニフェストの有無”、次に“そのマニフェストへの熱心度”を判断基準の一つとすることも可能である。これが、複数の会派がマニフェストを打ち出すことになると、個々の政策案だけでは比較が難しいように思える。


 そこで大切になるのは、「マニフェスト」全体を貫くビジョンである。別の言葉で言えば、「マニフェスト」を導く方向性である。この違いを見極めることによって、「マニフェスト」を評価することができる。「ビジョンとマニフェスト」は車の両輪である。


HP「散歩から探検へ」に“川崎市政との対話”を掲載
  http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/
MM「探検!地方自治体へ」で“自治体・川崎市政”を議論
http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/melmaga_01.html