川崎市の要綱をホームページで全面公開 神奈川新聞

川崎市の要綱をホームページで全面公開 神奈川新聞 記事内容
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 政治・行政 川崎市は六日、約二千ある市の要綱すべてを、ことし夏ごろから、市のホームページ(HP)で公開する方針を明らかにした。同日開かれた市議会予算審査特別委員会で民主・市民連合の堀添健氏(高津区)の質問に、三浦淳総合企画局長が答えた。同市によると、すべての要綱を公開している自治体は全国でも少ないという。

 要綱は、行政内部の決め事を条文形式で定めているもの。内容は、法令に基づく制度の、より細かな運用を規定したもの、行政実務上の処理方法を定めたもの、行政指導の指針を定めたもの、補助金の交付を定めたものなどがある。

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 記事にもあるように、要綱は具体的な自治体運営の規則の要である。従って、どのような場合においても、行政側は執行の根拠になる要綱を明示して説明する責任がある。

 要綱の公開は川崎市だけの問題ではなく、地方自治行政全般にわたり、長期的に、また、日本全体にインパクトを与える。この問題を引き出した「川崎市議会」の見識を高く評価する。堀添健氏をはじめとして、今後、市議会総体として「要綱の公開を活用」するように取り組んで欲しい。

 ところで、先ず、市職員が自らの仕事に係わる要綱を読んでいるのか?
 市職員が市民サービスを考えて不備を直したことがあるのか?
 単に公開するだけでなく、市職員が読み込んで活用し、市民に説明することが先決であるはずだ。しかし、これまでそのような場面に遭遇したことがない。

 
 これをどのように活用していくのか、住民が試されることにもなる。
 情報公開、住民の政治参加、住民と自治体との協働とは、住民が政治的に成熟しているか否か確かめられる場面が増えることでもある。


 これまで、行政側は要綱に基づく説明を十分に行っていないのが現状である。裁量という小さな権限にへばりつき、その慣行の束に埋没して自らの行動基準を明らかにしない場合がままみられる。


 この場合の最大の問題は、
 1)課題が公にならず、役所内の共同体的風土の中で、
  こそこそとした解決がはかられることである。
 2)これは今の時代、社会環境の急激な変化に晒される状況で、
  課題認識から課題克服に至るまで、有効なに対応がとれず、
  これまでの慣行を維持したままの惰性の運用になる。


 そこで課題意識が不完全、解釈が間違っていたりして市民に思わぬ被害が生ずる。即ち、行政側の裁量により市民にとって不利益が生ずる。

 公開によって、
 具体的な問題が発生した場合は要綱に沿って実施されているかチェック可能になる。不備が有れば改善を提案できる。単に公開するだけでなく、市民への対応としてどの要綱の、どの条項に基づくか不断に市民に対して自らの法的立脚点を明示して行政に携わる必要がある。


「吉井 俊夫のHP・散歩から探検へ」:川崎市政関連の論考を掲載。
 http://www.h7.dion.ne.jp/~as-uw/
姉妹編ブログ「備忘録」:07/02/9以前の川崎市政関連の論考はここに掲載。
 http://blogs.dion.ne.jp/ty9advs/